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八島高明の風水学講座 

 風水学講座



〜 風水の起源とその検証 〜



八島高明の風水学講座  占い小百科−1


最近、風水ブームが世間一般まで広がり、誰でも風水の知識を持つようになりました。しかし、本当の風水の姿を知る人は少ないようです。風水は果たして運命学なのでしょうか。このページでは風水の本来の姿を求め、風水とは何か、その役割と歴史を合理的に検証していきます。風水学は運命学なのか、それとも・・・・・。詳しくはこのページをご覧下さい。



 



風水とは何か?


 

風水学とは何か近年、東アジア、特に日本でも風水が大きなブームとなり、テレビや雑誌を連日のように賑わしております。

最近はその風水ブームも徐々に下火になりつつあるようですが、そもそも風水とは何でしょうか。最近の異質な風水ブームに、何か違和感を覚える人も多いのではないでしょうか。

 

 

日本における風水とは

 

そもそも風水という言葉は、日本ではあまり使われていませんでした。日本では古来から環境学としての「家相学」が有名であり、風水は本場の中国で発生して、日本では唯一沖縄にのみ伝わっていたようです。沖縄は琉球国と呼ばれた頃から中国との交易が盛んであり、特に交易の深かった福建は風水の盛んなところでもあり、他の技術・学問と一緒に風水が入ってきたようです。

 

沖縄には今でもその名残があり、三叉路の隅に置く「石巌當」(いしがんとう)、屋根の上に置く魔よけの「シーサー」(獅子)が随所に見られ、また古い民家にいくと「ひんぷん」(屏風)と呼ばれる石造りの壁をみることができます。風水思想を応用した有名なお墓「亀甲墓」もあります。沖縄の方言では風水のことを「フンシー」といい、今でも古老たちは風水のことを気にかけます。

 

 

本来の風水とは何か

 

本来の風水「風水とは何か?」と聞かれれば、多くの人は占い的な風水を思い浮かべるでしょう。でも、本来の風水は占いではなく、もともとは「都市づくりに使う古代の環境学・技術」だったのです。

最近は土地を開発する前に「環境アセスメント」を行います。この土地の開発がどのような影響を周囲に及ぼすのか、生態系の調査などを行います。

それとは少し違いますが、古代の風水は都市づくりをする前に、地形の良し悪し、その配置、水の状況、通風などの検分を行い、その土地が「都市づくりに相応しいかどうかを判定するため」に、風水を使ったのです。

 

今の風水ブームでは占い的な風水に惑わされ、本来の風水が見えなくなっているような気もします。風水とはその歴史をさかのぼってみれば、本来的には「環境工学」であることがわかるのです。たとえば、それは自分の住んでいる街の地質や地形、さらにはその住環境全体を見るための一種の「環境技術」だと言えるでしょう。それは現代のような科学知識のなかった時代の「環境工学」でもあり、地形や地質の特徴などを利用して、少しでも住みよい豊かな住環境を作る発想法だと言えるかもしれません。



風水を考える

 

近年の風水ブームでは、そうした風水学の「環境工学」的な発想を忘れているような気がします。現代においては、なぜか悪い運命を大転換させるための秘術、秘儀として扱われているような印象を受けるのは、私だけでしょうか。 

 

その秘術的な発想法の多くは、住宅環境全体をみるための本来の風水学的な発想法ではないようです。それは家内部の間取りやインテリアに、なぜか集中しているようです。インテリアの配置や色使い、間取りの変更などで、人の運命を大きく変える力があるのかどうかを、まずは深く検証する必要があるのではないでしょうか。

私の長年の運命研究の観点から言えば、風水学とはあくまで「古代の環境工学」であり、快適な住環境を作るための古代の技術なのです。

 

 

 

風水思想の原点

 

では、風水思想の原点とは何でしょうか。それは一言で言いますと、「環境を良くすることで生きる力を強める」という点にあるのではないでしょうか。環境を良くするとは単なる方位を見るとか、家具の位置を変えることではないはずです。そういうことではなく、風水によって変化するのは、快適な住環境を作り出すことによって得られる「心理的な効果」と言えるのかもしれません。

つまり、美しい快適な住環境を創造することによって、そこに住む人が心理的あるいは生理的にリフレッシュされ、本来の生きる生命力を増大させる点にあるのです。それは必ずしも「神秘の方位の効果」ではなく、あくまでも快適な住環境を作り出したことによる、心理的な効果といえるでしょう。

 

 

快適な住環境は生命力を強める

 

たとえば最近のテレビ番組に、「劇的ビフォーアフター」という住宅のリフォーム番組があります。そこに登場する現代建築のプロである巧たちは風水をまったく使わずに、方位を測定する羅盤(風水で使用する磁石のようなもの)もまったく使わずに、かなり古い家を実に快適な住宅へとリフォームして見せるのです。あまりの家の快適な変貌振りに、住人たちは非常に感激して涙を流して喜ぶのですが、そのときの住人たちの運命は、風水で変化したということではありません。

 

あくまでも快適な「住宅環境を創造することによって運命が変化した」と合理的に考えるべきでしょう。運命が変化したというと語弊がありますが、そこにおいては風水がどうのとかいうよりも、住環境というものは人間の心理状況に大きく影響するものであり、快適な住環境で暮らす人とそうではない人の運命が変わってくるのは、ある意味当然のことなのかもしれません。

東アジアで風水がブームになったのも、公害に汚染された劣悪な環境に住む人々が「環境の大切さ」を意識しはじめた現われではないのでしょうか。風水が単なる占いではなく、風水とは本来的にすべての「人間工学」を考慮した、合理性によって慎重に考えるべきものであることを告げているのかもしれません。

 

 

家造りに大切な要素とは

 

風水学の原点現代の住環境学で大切なことは、太陽の位置や大気の状態から定まる「採光」、空気や風の通り道を形成するための「通風」、そして人間の動線を工学的に応用した「機能性」です。

さらに心理的な効果を考慮した「デザイン性」、そして周囲の地学的な地形や地質のよしあし、といった点が十分に考慮されるべきでしょう。

 

そこでは必ずしも風水で使うような、占い的な「方位効果」などは認められていないのです。そうした家作りにとって大切な要素は、いずれも自然科学的な合理性の観点から組み立てられたものと言えるでしょう。

では、古来の風水学とは現代において、まったくの無用の長物なのでしょうか。しかし、そうとは一概に言えない面も確かに存在するのです。たとえばこの風水学には古代人の知恵というものが詰まっており、確かに現代でも通用する観点から形成されたものもあるからです。

 

ですから、それを一概に捨て去ることはできないのかもしれません。しかし、その使用法には十分な注意が要るでしょう。まずは、風水学は古代から継承されてきた環境学的な発想から形成されてきたものである、と言う本来の役割を十分に考える必要性があるのかもしれません。

 

 





風水の歴史とは

 



風水の歴史と技術・・・風水は誰が作ったのか

 

風水の歴史風水の歴史の起源は、現在のところ定かではありません。ただ、発祥地中国では数千年も前、殷・周(紀元前10世紀ごろ)の時代から、家や集落をつくるときに「卜宅」という占いを行っていたようです。

「卜」(ぼく)とはもともと亀の甲羅を焼いて、そのひびわれで吉凶を占う原始的なもの。古代では占いは宗教的な儀式の一つだったのです。

 

風水の起源として、孔子や孟子の活躍した紀元前数百年ごろの春秋戦国時代(前770〜前221)にさかのぼる説もありますが、実際に文献として確認できるのは、西晋(280〜316)の時代に郭璞(かくはく・276〜324)という人物の著した『葬書』(そうしょ)という文献です。

そもそもこの「風水」という言葉も、彼の著作に由来するものといわれます。

 

「気は風に乗れば散じて散る。水にへだてられれば止まる。古人は気を集めて散らさず、気を運行させて止まる。これを風水という」

『葬書』の中には気、蔵風得水、形勢の理論、四霊(四神)説など、のちの風水学の原点が記されています。のちの風水はこの『葬書』をもとにして江西、江南地方に広がり、学派をつくって研究されるようになっていったのでしょう。

 

宋代(960−1279)に入ると、もともとの風水理論に占い的な八卦、星宿、干支などが加えられ、現代の風水占いに近いような「方位占い」的な様相を帯びてきます。方位の良し悪しを判定するために、磁石のついた「羅盤」(らばん)とよばれるものが使用されるようになります。

のちに風水は、方位占い的な学派が主流を占めるようになり、中国各地に広がっていきました。この流れが、現代の方位的なものを重視する占い風水につながっている、とみることができるでしょう。しかし、そもそも風水の原点を見る限り、方位占いの風水よりも、環境学としての風水のほうが大切なのです。次にそれを見ていきましょう。

 

 

 

風水の本来の意味とは

 

風水学の本質風水とはもともと「風をおさめて水をあつめる」という意味であり、専門的には「蔵風聚水」といいます。

郭璞の『葬書』には、大地の持つエネルギーを利用する、さまざまなテクニックが記されております。本来の風水とは、下図のような古代の環境学なのです。

中国では以前から、天地自然の背後には「気」という未知の生命エネルギーが存在すると考えられてきました。気とは大自然を動かす原理的なエネルギーと考えればよいでしょう。

 

風水とは、そうした天地自然に存在する「気」の発想法を、技術的に応用したものと考えられます。つまり、「気」というエネルギーの集中する場所を山や森の中に探し出し、それを利用しようという環境学的な発想法なのです。

それを現代的に考えれば、大気や風、あるいは風光明媚な風景、あるいは地盤のしっかりした地質や地形、さらに古代であれば戦争の時代ですから、他国から侵略されないような場所を選定しなければならないのです。こうした好条件を備えた「吉相の地」を風水では求めるのです。

 

 

 

 

風水思想の原点とは

 

 

風水の起源風水の本流として存在する「陰宅風水」のほうを見ますと、まず気の発生する「太祖山」の存在が重要になるようです。

そしてそこから流れ出す「龍」(山の尾根のこと)がどこへ向かっているのか、そしてそれがどこで止まり「穴」(スポット)として結んでいるかが重要になってきます。

 

さらに、その「穴」のエネルギーの凝集した力が風で散じてしまわないように守る「砂」、さらにそのパワーを強化する「水」が大事になってきます。

こうした全ての好条件を備えた土地を探し出すのが、風水思想の本流なのです。こうした土地を探し出して利用することで、人間が本来持っている生命エネルギーをさらに強めることができると考えられているのです。

 

 

風水は古代の環境思想だった

 

古代からよく言われる「四神相応」(しじんそうおう)とは、こうした風水学的な好条件を満たしている土地を言ったのでしょう。北の守りである「玄武」、東の流水である「青龍」、西の道である「白虎」、南のひらけた土地「朱雀」を4つの必要素として、都市つくりに相応しい場所を探したのです。

 

さらに戦国の時代であった古代では、こうした四神相応の地の多くが、異国の侵入を防ぐ「城塞都市」として形成されたと思われます。

現代のように飛行機やミサイルがなく、すべてを徒歩や馬などの戦術に頼った古代では、こうした「自然の防壁」のような地形を、城塞都市の基盤として選択するのは、ごく当然の理でしょう。

北の玄武は高い山であり、冬の北風を防ぐにはうってつけであり、さらに北からの侵入者も防ぐことができます。さらに、砂と呼ばれる両側の守りも同じ役目をもちます。現代のよう風水の思想にレーダー機械のない時代では、異国の侵略者を防ぐことが何よりも大切なのです。風水のような地形であれば、侵略者を防ぐ完璧な地形なのです。ひらけているのは唯一南側だけです。

さらに、そこに都市を形成して住むには水と道路も必要でしょう。わが国の京都も風水に則って作られたといいます。京都の地形を思い出してください。

航空写真でみると一目瞭然。北と西に丹波の山々、東に鈴鹿山脈、南側だけが大きく開けており、京都はまさに天然の要塞なのです。京都が長年にわたってわが国の中心地だったことも、そして侵略者から守られてきたのも、その地形の理を考えればうなずけることでしょう。


 

 

風水思想の変化とは

 

軍事的な発想法を取り入れ、環境学として広まった風水思想は清代(1616〜1912)にはいると、自然学的な発想法を「個人の住宅内部にまで応用できないのか?」という発想が出てきます。これが現在の風水占いの始まりでしょうか。現代において存在する多くの風水占いの流派が、実際にこの時代に起源を持つのです。

 

これを「陽宅風水」と言います。この「陽宅風水」の歴史を考えてみますと、それは意外と浅いものといわねばなりません。つまり、この発想法は本来の風水思想である「陰宅風水」のような、長い歴史の考証を得ていないようでもあります。ここで大事なことは、まず風水本来の自然学的な思想法に立ち返って、「陰宅の思想をそのまま家の内部にまで応用できるのか?」といった基本的な検証から始めるべきではないでしょうか。





                                              

 

 

 





風水を検証する


 

 

 

 

風水を検証する日本の風水占いはインテリアや間取りなど、住宅内部にばかり関心がいっておりますが、本来の風水とはこのようなものではありません。

風水は大きく分けて二つに分類されます。よく言われるように「陰宅」「陽宅」の風水です。

「陰宅の風水」とは、先ほど述べたように、「太祖山」を発する山脈の「龍」の流れを辿り、そのエネルギーが集中しているポイント「穴」を発見し、それを守る「砂や水」の配置を分析して、そのポイントの良否を判定してそれを利用する環境技術です。

 

 

風水の原点は、本来はこの「陰宅」のほうの風水なのです。しかし、この技術を利用するためには山や谷を駆け巡り、地形の良し悪しを調べたり、龍の方角を調べたりしなければなりません。また、この思想は本来的に都市設計に用いるべきものであり、本質的には個人の要望にこたえるものではありません。吉相地を探すには、また大変な労力と時間が必要でしょう。個人の欲望に安直に答えるような、安易にできるような「開運法」でもないのです。その効果も現代人が要求するような即効性に欠けるために、注目されなかったのでしょう。

 

 

陽宅風水の発想法とは

 

そこで、簡単にできる家の間取りやインテリアを利用して、「陰宅風水」のまねをして、個人の切ない欲望に答えようという発想法、「陽宅風水」がでてくるのでしょう。現在の日本で主流となっているのは、こうした後者の「陽宅風水」のほうです。その「陽宅風水」の典拠としている文献には、清代の『陽宅集成』『八宅明鏡』『金光斗臨経』『陽宅三要』『地理辨惑』『玉鏡経』などがあります。



陽宅風水の技術・・・


古典的な八宅法では、個人の生まれた年を「本命卦」といい、その本命卦を中心として方位の良し悪しを選択します。方位には5つの宅気があり、それぞれの方位に吉凶があるとされます。


〔5つの宅気〕

 

「旺気」は、家の中でもっとも気の旺盛な場所。財運、健康などに効果があるとされます。

「生気」は、子供や配偶者にもよい吉方位であり、穏やかな効果があるといいます。

「洩気」は、吉凶の中間作用があるとされ、現状維持にはよいが発展性を弱いとされます。

「死気」は、気の弱くなる場所で凶方位とされ、健康や金銭面でも苦労が多いといいます。

「殺気」は、大凶の方位であり、家の太極(中心)を損なう作用があるとされます。



 

 吉方位には玄関や寝室、居間が適切とし、凶方位には浴室、トイレなどが良いとされます。この前提を踏まえたうえで、8種類の「宅向」というものを出して、5つの宅気を配置していきます。


〔8つの宅向〕

 

 離宅・・・玄関が北に向いた家の場合、北・西・東南が洩気、東北・南が生気、東・西南が死気、西北が殺気となる。


 坤宅・・・玄関が東北に向いた家の場合、東北と西南が旺気、東が生気、東南が死気、南・北が洩気、西・西北が殺気となる。


 兌宅・・・玄関が東に向いた家の場合、東・南・西北が生気、東南が旺気、西南・北が死気、西が殺気、東北が洩気となる。


 乾宅・・・玄関が東南に向いた家の場合、東南・西・北が生気、南が洩気、西南・東が死気、西北が旺気、東北が殺気となる。


 坎宅・・・玄関が南に向いた家の場合、南・西北・東が殺気、西南・北が生気、西・東北が洩気、東南が死気となる。


 艮宅・・・玄関が西南に向いた家の場合、西南・東北が旺気、西が死気、西北が生気、北・南が殺気、東・東南が洩気となる。


 震宅・・・玄関が西に向いた家の場合、西・東南が死気、西北が旺気、北・西南が洩気、東北・南が殺気、東が生気となる。


 巽宅・・・玄関が西北に向いた家の場合、西北・東・南が死気、北が洩気、東北・西が殺気、東南が旺気、西南が生気となる。


 古典的な風水では、以上の基礎を踏まえた上で、方位の良し悪しを選定していきます。基本的には良い方位に玄関、寝室、居間などがあると良いとされ、悪い方位にはトイレや風呂があることが望ましいといいます。

 

風水の考え方 これらの発想法をみると、すぐに易学の知識を応用しているとがわかります。易学はもともと占いにも使用されていましたから、それが風水の中に取り入れられたとしても不思議ではありません。

さらに方位的な技術は、奇門遁甲の9星を利用したものではないでしょうか。奇門遁甲はもともと方位術として発展してきたもの。個人のいる場所を中心として、周囲の空間を8つの空間にわけて方角の吉凶をみる学問です。

陽宅風水でも同様に、家の中心からみて方位を8つに分割(24分割することもある)し、それぞれに方位の意味をもたせていることがわかります。

 

さらに、もともと「陰宅」の風水としてあった理論を組みこみ、複合的な意味付けしていることがわかります。たとえば風水では日本の家相のように家の内部だけをみるのではなく、風水では方位の延長線上にある近隣のビルや道路の位置まで考察の対象とするのです。さらに20年毎に変化する「地運」というのもあり、判定は複雑となり、方位の吉凶は簡単には出せないようになっています。



方位とは何か、その考え方


 

しかし、その全体像をみてみると、もともと地理をみる風水をベースとして形成され、そこに易学の理論、奇門遁甲の方位理論を組込み、住宅の吉凶をみるためにその全体をうまくまとめていることがわかります。

ただ、陽宅の風水は占い的なものに流れてしまったために、本来の自然環境学的な風水とはまったく趣を異にしてしまいました。現在においては、様々な「陽宅風水占い」の流派が乱立し、その主張するところも大分異なるところが多いのも事実なのです。

 

ただ、その根拠とする文献自体の歴史的な浅さ、そしてその考証の弱さを考慮すれば、それも致し方ないところではないでしょうか。私の感じるところでは、やはり歴史的な考証が浅い(200〜300年位)ためか、陽宅風水は占いとしての理論がかなり雑然としているような印象を持ちます。

要するに、その中においても具体性のある「真実性のあるもの」、あまり意味のないこじつけ的な偽物が混ざり合って、全体としては「玉石混交」といった感があるのです。

 

 

陽宅風水の大きな疑問点とは

 

風水の疑問点 たとえば、「陽宅風水」の流派がよく使う方法として、「方位の良し悪し」を決める根拠となるものに、「本命卦」という考え方があります。

これはその家に住む人の「生まれ年」から出すのですが、命理、つまり四柱推命などを理解する人には、個人の「生年」のみに頼って方位の良し悪しを求める「本命掛」といった発想法は、かなり理解できないところです。

 

たとえば四柱推命においては、生年のみでは個人の持つ運命の全体要素の1/4しか判定できないのです。その1/4だけの少ない要素を使って、個人の性質全体に関わるような、方位の良し悪しはとても決められないのではないでしょうか。

「陽宅風水」を根拠としてそれを信奉する人たちは、この大きな理論的な矛盾を説明する必要があるのかもしれません。

 

 また、空間の方位のとり方にも「一方位の角度を30度」としたり「一方位の角度を45度」としたり、あるいはその混合にしたりと、そこにはあまりにも統一性がありません。また、360度の全方位を「24方位」にしたり、あるいは「12方位」にしたりするような違いもあります。こうした統一性の無さも混乱させる原因となるのです。

 

 さらに風水では家の中心を太極とし、そこから空間を8つの方位に分割して吉凶を占いますが、そもそも方位学として発展した奇門遁甲をみますと、もともとは兵学として使われてきたものであり、それは自分のいる場所を中心として、人間の霊的な原理である「意識構造」から、空間を8つの方位に分割して、その吉凶を判定する技術だということです。

果たして、生物ではない家の中にも人間原理と同様な霊的な方位構造があるのか、そこに大きな疑問を感じざるを得ません。
陽宅風水に関しては、他にも多くの疑問点がありますが、それはこれからの歴史の考証によって、徐々にその真偽が判明していくことでしょう。


 

 

風水学の将来性とは

 

 風水というものを考えるとき、本来の風水思想が「自然環境学」として発生した理由を考えるべきでしょう。そこから、陰宅風水を「本当に個人の住宅内部にそのまま応用できるのか」という点を、まず深く考えるべきではないでしょうか。

 さらに、風水の方位理論に限らず、「方位のもつ不思議な効果」というのは確かに実在するものですが、それは人間が空間を長距離移動する際に発生するものであって、数メートル、数十メートルしか移動しない家の内部において、果たして方位効果が発生するのか、といわねばならないのです。

また、動かずに静止した状態で方位効果が発生するのであれば、奇門遁甲のような方位学を使う理由はなくなるではないでしょうか。私はこれまで「風水が本当に的中した」といっている人を何度も調べましたが、その理由のほとんどは、四柱推命の運気の変化で説明のつく内容でした。

しかし、その発想法を信奉して、それを「運命展開の秘法」とするのも、個人の自由にゆだねられるべきではないかと私は考えます。なぜなら、こうした真偽は自分でつかむものであり、誰にも完全なことは言えないでしょうから・・。

 

 

 

〔八島高明・文〕

 




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