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同じ生年月日の人は、まったく同じ運命なのか?

占いに疑問を持つ人はよくこう言います。「生年月日が同じ人はたくさんいる。でも同じ運命にはなっていない」と。たしかに同じ日に生まれた双子でも、まったく同じ運命にはなりません。では、生年月日から人の運命が読めるというのは、どこか間違っているのでしょうか。



本当に生年月日から運命が読めるのか?


以前、運命分析に訪れた方で20代くらいの若い女性がいました。彼女は占いをまったく信じないタイプの人でしたが、母親に説得されて仕方なくついてきたようです。それがよほど嫌だったのか、面談室に入るなり、いきなり言いました。

「占いって本当に当てになるのですか?」

彼女の突然の荒々しい剣幕に、私は思わず固まってしまいました。

「どういうことですか?」

私がとっさに言い返すと、彼女はまた言いました。

「自分は今、仕事がうまくいきません。しかし私と同じ生年月日の友人は今も仕事を続けています。どうしてですか?」

本当に生年月日から運命が読めるのかその女性には同級生の友人がいて、まったく同じ生年月日だといいます。その友人は現在も仕事がうまくいっており、自分はうまくいかない。まったく同じ生年月日なのになぜですか、というわけです。でも女性にしては何と理屈っぽい人なのでしょうか。男性にはよくあるタイプですが、女性では珍しいタイプです。でも理屈としては間違ってはいません。

「大変申し訳ありませんが、その友人とは生まれた時間までまったく同じですか?」

実際に生まれた時間や生まれた場所が違っていれば、まったく同じ運命にはなりません。いや、たとえそれがまったく同じであったとしても、まったく同じ運命にはならないでしょう。生年月日、生まれた時間、生まれた場所によって定まるのは、「その人の潜在意識の構造」であり、運命そのものではないのです。ただ、その心理構造が運命を形成していく母体となりますから、生年月日は無視できるものではありません。

心理構造がまったく同じであれば、たしかに似たような運命を形成していくことでしょう。ただ、その心理構造の中核をなしている個人の精神は、一人一人完全に異なるものです。だから運命がまったく同じになることはないのです。運命という観点からいえば千人いれば千通りの運命があり、1万人いれば1万通りの運命が存在するのです。

運命分析でわかるのは、その人の運命そのものではありません。あくまでも「運命の傾向性」なのです。未来が最初から決まっているわけではないのです。その発想じたいに完全に誤解が入っていました。彼女は私の質問に答えて言いました。

「いや、生まれた時間まではわかりません・・・・」



生年月日+生まれた時間が重要!


運命分析において、生まれた時間は非常に重要な要素です。世間には生まれた時間やその時間補正をしないで、個人の運命を予測するものがあります。でも、その方法では正確な運命の診断はできないのです。実際に生まれた時間がわからない人の場合、運命分析の中においても、かなりあいまいな要素が生じてきます。私は彼女に言いました。

「そうですか。では生誕の時間の違いで、その差が出ているのでしょう」

その女性は何となく納得したようです。ようやく運命分析に入ることができました。私はその女性の心理構造を分析した資料を読みこんでいきます。正確な生誕時間がわからないために非常にやりにくい感じでした。

「まず、この生年月日に間違いがないかを確認しましょう」

生年月日+生まれた時間が重要!生まれた時間が不明な場合、生年月日すらあやふやなことがあります。特に夜中の午前0時頃に生まれた人の場合、時間の補正を入れると実際には前日生まれになる人もいるのです。現在の日本で使用されている時間はあくまでも標準時です。兵庫県の明石を中心として計算された時間であり、実際には地域によって異なってくるのです。つまり、それぞれの地域によって、「本当の時間」というのがあるのです。

本当の時間とは太陽の位置から計算しなければなりません。沖縄と北海道では1時間以上の時差があるのです。ですから、その人の生まれた正しい時間は計算によって求めねばなりません。そうした事情から運命分析をする場合、生誕時の不明な人は本当にその日に生まれたのかを確認する作業をすることもあるのです。その資料をみると、彼女の昨年○○年は「異性に関する否定的な悪い影響がある」という暗示が出ていました。まず、それから確認します。

「昨年、異性に関することで悪い暗示が出ています。異性に関することで何かトラブルがありましたか?」

それまで勢い込んでいた女性の表情が一変しました。目を見開きながら私の顔を見ています。

「どうしてわかるのですか?」

その生年月日は正しかったようです。昨年の異性に関する否定的な影響は、かなり強く生じてきたようです。昨年の辛い体験を指摘され、話の流れは仕事のことから昨年の出来事へと変わっていきました。

「実はストーカーされたのです。本当に大変な年でした・・・・」

その女性は深刻なストーカーの被害者でした。大きな実害はなかったものの、その精神的な苦痛たるや相当なものだったといいます。その一年間はずっとストーカーに付きまとわれ、無言電話や尾行など言いようのない恐怖を感じたようです。その相手とは面識がなく、まるで知らない相手だったといいます。



生年月日は人の運命の影を映している!


私は彼女の基礎資料を見ながらその話を聞いていました。でも、なぜ彼女の運命パターンの中に、そうした異性に関する否定的な暗示が最初から記されているのでしょうか。数多くの運命を見てきた私ですが、現実的な思考からすればこのような出来事は何度あっても驚かされるものです。

生年月日は人の運命の影を映しているどうして彼女の運命は深刻な事態を招いたのでしょうか。もちろん、そのことを彼女に聞いてもわかるはずがありません。私は彼女の運命の流れをさらに詳細に見ていきました。やはりどう考えても、その流れは偶然の産物ではありません。彼女の心理構造の中に、そうした目に遭わされるような必然的な何らかの理由が存在するのです。それが何であるかはわかりません。

運命分析でわかるのは、全体の心理状態や運命の流れを総合的に分析した、あくまでも推論なのです。彼女の運命の流れや心理構造は、たしかに異性に関するネガティブな要素を含んでいました。その○○年はその心理構造に照応するように、それが現実化した年だったと考えられるのです。

もちろん彼女は自らのこうした心理構造をまったく知りません。一般的に考えれば、あくまでも彼女はストーカーの被害者にすぎないのです。でも彼女が大きな実害もなくその危険な時期をやり過ごしたことは、不幸中の幸いだったといえるでしょう。ただ、今回の事件がただの偶然ではなく、彼女の心理構造の中にそうした現象を引き起こすネガティブな心理構造があったというのは、私自身も驚きでした。もし彼女の内面にこうした心理構造がなければ、このような被害にはあわなかったのもかもしれません。

運命の世界は目に見えない次元で動いていきます。そのストーカーは偶然に彼女に近づいたのではなく、彼女の中に運命的な何かを感じて、引きつけられたのかもしれないのです。運命の世界を考える上で最も大切なことは、運命の世界がすべての人に対してまったく平等に作られているということでしょう。

運命の世界はすべての人の運命をまったく平等に、すべて均衡化させていきます。自らの行為は自らで刈り取らねばならないのです。すべては学びのプロセスとして存在します。人間はこの運命の世界で輪廻転生をくりかえし、生命として進化向上していく存在なのです。ですから、現在は女性として生まれた人であっても、前世は反対の男性であったのかもしれません。

もし男性であれば、女性に対して自らがそうした行為に及んだ可能性も否定できないのです。そのような事実があれば、運命を均衡化させる法則の下に次の人生においてはそれとまったく同じ体験を、相手の立場にたって経験させられるでしょう。こうした運命的な現象は、すべて学びの機会として設定されるのです。

「あなたの心理の中に、異性に耽溺しやすい弱い心理が存在します」
「そうした心理が今回の事件のきっかけを作りだした可能性があります」

彼女は私の話を真剣に聞いていました。どこかに思い当たる節があるのかもしれません。こうした内容はすぐに理解することはできないでしょう。なぜなら誰も過去の記憶を持たないからです。ただ、その記憶は消え去ったわけではなく、深層心理の深いところに宿っているのです。こうした深層心理は潜在的な心理構造として、心の基礎的な構造を構成しています。運命分析ではこの潜在的な心理構造の分析から、具体的な情報を読みとくのです。

「先生のおっしゃる意味が、何となくわかるような気がします」

彼女は最後にこう言いました。どこかで遠い記憶とつながったのかもしれません。



どんな運命もすべては学びの場である!


実は、どんな人も過去の記憶を持っているのです。ただ、その記憶を一時的に忘却しているにすぎません。しかし深層心理の中には確実に記憶が宿っていますから、そのことを意識すれば思い出すこともあるのです。ストーカーという怪奇な現象にも、その背後には運命の世界と深く関わる理由が存在するのです。こうした男女の愛憎の心理は、私たちが最も克服しがたい本能心理の一つでしょう。

それは生の本能と密接に結びついているために、実に根深い力を宿しています。周期の巡りによってその本能が異常なまでに増幅されるとき、私たちは理性を失って過激な行為に走るのです。私たち人間はこの世界にあって、自分の本能の赴くままに行動してはいけません。その既成事実が後にその人の運命を苦しくしていくのです。すべての人は何度も男性や女性の役割を入れ替えながら、こうした経験を積んで運命の法則を学んでいきます。

運命の法則を知らない人たちがいまだに過ちを犯し続けるのは、本当に残念でなりません。この性に関する過ちは次の人生で非常に苦しい運命を形成していくのです。ストーカーという現象はそうした過去の運命が現在に現象化したものといえるでしょう。できれば多くの人がこうした運命の世界を自ら学び、自らの心理を厳然として律していくことを願ってやみません。








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