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悪運の避け方とその対処法を学ぶ

次から次へと不幸が連続する。そんな経験をしたことはありませんか。誰にでも、こうした悪運現象がときどき起こることがあります。悪運の原因を突き止めようと必死になりますが、本当の原因はなかなかわかりません。でも、その本当の悪運の原因は、自分自身の深層心理の中にある場合もあるのです。


悪運の被害者その体験を語る


「なぜ私だけが、こんな目に遭うのでしょうか。」

悪運の被害者は異口同音に、ほぼ同じことを言います。世間には多くの人がいるのに、なぜ自分だけが悲惨な目に遭わねばならないのか。それは誰でも考える理屈でしょう。以前に訪ねてきた相談者も、まったく同じように言いました。

「信頼していたのに裏切られてしまって・・・・。」

悪運の被害者その体験を語る彼は五十歳くらいの男性で、小さな金融会社を営んでいました。経営は多少苦しいものの、何とか経営できるほどの収入はありました。数人の信頼できる人ばかりを雇っていましたが、それが少し甘かったようです。数年前に採用した男性に多額の資金を任せていましたが、その人に会社の資金をごっそりと持ち逃げされたのです。飼い犬に手をかまれたような状態でしょうか。まったく気の毒というほかありません。

「それから経営は一気に苦しくなりました。それ以来、何とか借金で穴埋めしていますが・・・。」
男性は深いため息をつくと、眉間にしわを寄せたまま、黙ってしまいました。

「そうですか。それは大変でしたね。」

私は気落ちしている男性を励ましながら、その悪運の原因を探っていきました。資金の持ち逃げ、つまり横領というわけですが、まさかそのようなものまで、「悪運」という運命の流れの中に現れてくるのでしょうか。それともこの悪運はただの偶発的なものでしょうか。私は頭の中であれこれと考えながら、男性の資料を読みこんでいきます。


悪運の原因とその時期を探る


私はそれまでにも悪運の被害者、あるいは加害者の運命を調べてきました。その結果わかったのは、悪運の背後には複雑に絡みこんだ運命的な因果が存在するということでした。

しかし、それがすべてではありません。悪運のすべてが何らかの運命的な原因を持っているわけではないのです。悪運のすべてに因果の原因があるとすれば、悪運の起点、つまり最初の悪運は起こりようがないわけです。つまり、ニワトリが先か、卵が先かの話みたいなものでしょう。悪運の因果は相互に循環しているのであって、それを輪切りにして説明するのは、まったくナンセンスな話なのです。論理のパラドックスみたいなものと言えるでしょう。

「えーと、その被害に遭われたのはいつですか。」

まずは、その時期を調べることによって、悪運の因果を探っていきます。

「去年の○○年です。本当に大変な年でした。他にも色々とごたごたがあって・・・・。」

悪運の原因とその時期を知る男性はその一件だけではなく、人間関係でも多くの苦労があったと言いました。もし、そのとおりなら、その事件は偶発的なものではないかもしれません。なぜなら、偶発的なものの場合は事件に関しても単発的なものが多いからです。その反対に、何らかの悪運の原因があれば、それは単発的なものではなく、この男性のように他にも嫌な出来事が連続して起きやすいのです。私は彼の言ったその○○年を調べていきました。すると予想通りに、それは悪運の運命的な原因を持っていたのです。

「その事件は○○年の、あなたの不和年に発生しています。その不和年に生じる運命的な出来事は、あなたの過去に何らかの悪運の原因が存在する場合がほとんどです。」

男性は私の予想もしない発言にとても驚いたようです。上気した顔は赤みを帯びて、やや怒りを含んだ声で言いました。

「私に悪運の原因があるというのですか。たしかにその人に資金の管理を任せたのは、大きな間違いだったと認めます。しかし・・・・。」



悪運と不和年がピタリと一致した


いかなる悪運の被害者も、「その悪運の原因はあなたにもある」と言われれば、憤慨するのは当然かもしれません。しかし、それは運命の法則性から導き出された結論であり、ただの推測で述べているのではありません。これまで見てきた数多くの統計的な例証があるのです。私は言いました。

「その悪運の原因は、あなたの過去の中に必ずあります。あなたはそれを覚えていなくても、それに関連する原因がどこかにあるのです。」

男性は少し興奮した様子でした。自分は悪運の被害者なのに、なぜ自分が責任を問われるのか、そんな馬鹿な話があるものか、と考えているのでしょう。眉間にしわを寄せて、不機嫌そうに下を向いていました。

私は男性の資料を見ながら、その悪運の本当の原因を探っていきます。その○○年に生じることは、必ず何らかの原因が本人の中に宿っているはずです。一見すると、悪運の被害者に見える場合でも、そうした目に遭うような、それに相当するような理由が本人の深層心理の中に宿っている場合があるのです。

悪運と不和年がピタリと一致したこの男性の悪運のパターンも例外ではないはずです。なぜなら、男性のその年の兆候に、そうした悪運のパターンを象徴する現象が実際に発生していたからです。また、その悪運の○○年は男性の理性機能を麻痺させて、その働きを弱め、理性の下にある諸々のストレスを解放する意味があったからです。

その○○年に発生するネガティブな悪運現象は、その男性が心の歪みとして持っている負の側面をいえるでしょう。それは男性の心を重くさせており、心の影として運命を望まない方向に向かわせる力となるのです。

「あなたの内面にある心の影が、悪運の○○年に現象化してきたようです。それはあなたの運命を悪くする元凶であり、あなたはむしろその解放を喜ぶべきでしょう。」

男性はビックリしたというよりも、呆れた顔をしていました。悪運の被害者に、その事件のことを喜びなさいと言う方に無理があるのかもしれません。しかし男性の運命は、その事件が起きることによって、これまで抱えていた心の負債を軽くする良い方向に向かったのです。


悪運によって過去が清算されていた


心の負債、つまりネガティブな心理を解放せずにそのまま持ち続けると、それがガン細胞のように増殖していくことがあります。自分の心理を歪ませてそれを極限まで増殖させ、人々を震え上がらせるような凶悪な犯罪者などはその典型例でしょう。

初期の心の歪みは小さなものです。それはガンの初期段階にたとえられるでしょう。ガンの芽は初期段階の小さなうちに対策を施すことによって治療することができます。心の病気も全く同じような原理があるのです。心の歪みは誰にでもあります。多くの人は健全な方法によって、それをうまく解消しています。たとえば趣味に熱中したり、好きなものを見つけたり、友人と楽しく過ごしたり、生きがいを見つけたりしてそれをうまく解消しているのです。

ところが世の中にはすごく不器用な人がいて、そうしたストレスを上手に解消できない人がいるのです。そうした人はどんどんストレスを増大させ、それを自分でも解消できないくらいに大きくしてしまうのです。その人が自己抑制的な性格であれば、自分自身を殺してしまうでしょう。それが自分に甘い自己本位な人であれば、そのはけ口は外に向かうのです。

悪運によって過去が清算されていた心の中に歪曲した心理が積もり重なっていき、それが何らかの事情で解放されずにいると、不和の年が巡った時に大爆発を起こすのです。そのときになって、それを止めようとしても止められません。なぜならそれは、その時に作りだしたものではなく、あくまでも過去に蓄積された想念だからです。

満杯になった風船から噴き出すガスのように、その年は次から次へと悪運的なトラブルが続出します。こうした悪運の原理を知らない人は、それを外から来る祟りだと思うかもしれません。でも、それは祟りなどではなく、自らの心の中からわき出てくる歪曲した心理が悪運を発生させている本体なのです。それは人に対する怒りであり、恨みであり、憎しみでもあるのです。あるいは他人から向けられた、過去のあなたに原因を持つ恨みかもしれません。

こうした負の心はそのネガティブな性質ゆえに、心の中に溜めこみやすいのです。大自然の運命機構は、こうした心の矛盾を実に見事に解消する構造を持っているようです。時間で動く心の周期的なリズムを作り出すことによって、こうした溜めこまれた悪い想念を外に向けて解放させるようにしているのです。それは年単位だけではなく、月単位、日単位、時間単位にも存在し、人の心理構造と照応して見事に機能しているのです。私は男性にこうした運命の原理を詳細に説明しました。

「うーん、そんな世界があるのですか・・・・。」


悪運によって運命が修正される


男性はこうした世界の存在をすぐには信じられない、といった感じでした。でも私は、男性の心理構造を調べることで、ある一つの確信をもっていたのです。彼は一見すると悪運の被害者でしょう。被害者である以上、自分の非を責められるのは心外でしょう。ところが、そうした表向きからは全く見えない裏の世界があることを、彼の運命は告げていました。彼の心理構造は実に驚嘆すべきものだったのです。

彼の関心はすべてが金銭的な貪欲さに向かっていました。彼は自我意識の強い人であり、非常に見栄っ張りの性格でした。また、そうした性格とは裏腹に金銭に対する感覚はとても細かく、常に自分が損をしないように計算するタイプの人でした。それが常人の心理バランスからはかけ離れたものであり、彼の心理構造は物質的な側面、つまり金銭的な関心ばかりに一極集中していたのです。そうした心理はある意味でいびつな構造であり、実際に彼自身がそれまでそうした生き方をしてきたことを示していました。

悪運によって運命が修正されるそうした彼の歪んだ生き方が、彼の心を非常に重たいものにしていたのです。現実の彼は金銭のことばかり考えていましたが、深層心理の中ではそうした自分の貧しい心を相当に嫌がっていたのかもしれません。それが今回の横領という事件を引き起こした可能性もあるのです。彼は自分の目の前から金銭を無くすことで、自分の心の人間らしいバランスを回復させようと意図したのではないでしょうか。

それが彼の人間らしい心を復活させる、唯一の方法だったのです。彼の運命を司る深層心理はその事実をよく知っており、横領という大事件を起こすことで彼の心眼を開かせようとしたのです。それは一種のショック療法みたいなものでしょう。

私のところに来た時、彼の関心は金銭的なものから少し離れつつあるように見えました。その事件は金銭にしか関心のない彼にとっては、非常に苦しいプロセスだったのかもしれません。彼はその苦のプロセスをたどることで、自らの歪曲した心理に気づきつつあったのでしょう。悪運が彼の本能を燃焼させ、新しい人生観を開眼させるきっかけとなるかもしれないのです。

それが彼の新しい運命の転機になるでしょう。彼の深層心理は大仕掛けの芝居を打つことで、見事に心の軌道修正に成功しつつありました。むろん、現実の彼はそうした運命のプロセスをまったく知りません。彼はいまだに悪運の被害者意識を引きずり、自分を裏切った部下を憎んでいました。すぐにはこうした運命のプロセスを理解できないでしょう。しかし、どんな人も時間の流れの中で必ずその答えを見つけ出していくのです。

悪運、それは誰もが避けたがるものです。しかし、こうした悪運の中にも何か深い理由が存在することもあるようです。それは私たちの理解を超えており、その本当の原因は、私たちの深層心理の中でしかわからないこともあるのです。避けたい悪運というものがこのような存在であるならば、私たちは自らの心の中を覗き込んで、その本当の原因を探さねばなりません。そのプロセスを経ることで、悪運に対する私たちの考え方はコペルニクス的な転回を遂げるかもしれないのです。






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  オフィスファルの「占いと運命の科学」より 


 


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